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院長ブログ

そろそろ節祭

2014/09/23

私が今年3月まで働いていた西表島ではそろそろ節祭(しち)が始まります。

西表島祖納(そない)と干立(ほしたての)節祭は国の重要無形文化財に指定されている、とても重要なお祭りです。今年は9月25日~27日まで行われます。

祖納はアンガー行列、干立はオホホが登場することで有名です。

診療所は祖納にあったため、医師住宅も祖納にあり、節祭は祖納のものしか参加してことがありませんので、西表島にいながらオホホは見ることができませんでした。

西表は亜熱帯気候のため、コメを2期作しています。1期目の収穫後には豊年祭が2期目の収穫後には節祭があるといった具合です。ともに収穫を祝い、豊作を感謝し、来年の豊作と幸福を祈るといった意味合いがあるそうです。節祭の日には島を離れた人たちもその日だけは休みをとって帰ってきたりします。

どんな中身かというと、

まず2週間くらい前から夜な夜な練習が始まります。男子は棒芸、狂言(というが本土のそれとはイメージが異なる)、歌、巻踊り、船漕ぎ(ハーリー)の練習をします。

そして本番1日目は2日目の準備と予行演習とハーリーの赤白組の組み分けをします。

2日目はまさに本番で、公民館から男子が旗頭を担いで前泊浜(まえどまりはま)に向かいます。そして、ミルク様(年男がなる。弥勒)、アンガー行列が公民館を出発し、前泊浜へと到着します。その後は佐敷では踊りが披露されたり、男子(小学校に入らない子もする)による棒芸、ハーリー、巻踊り、獅子舞などが浜で展開します。

ハーリーは紅白に分かれ、勝負しますが、勝っても負けても福が来るような意味合いが持たされています。詳細はもう忘れましたが、船に入った水は幸福の量を表しているといわれます。つまり、船にたくさん水が入った場合、船は重くなり、遅くなるのでほぼ必然的に負けるわけですが、それだけ福をもって帰ってきたということになるそうです。海の向こうのニライカナイから福を持って帰ってきたということです。

その後、お開きとなり、公民館へ戻ったあとは片づけ後、宴がまっています。男はそれぞれの船のチームに分かれて、公民館長やミルク役、船頭の家々を回り、挨拶をしにというか飲みに行って、夜が明けています。

3日目はツヅミと呼ばれ、午前中は準備をします。午後から大井戸(ウーヒラカー)に旗頭が集合し、そこでもまた、巻踊り、棒芸を行います。その後は旗頭を担いで、新築の家や招待のあった家、営林署、診療所、郵便局、西表小中学校、保育所をまわります。それぞれでお酒や飲み物がふるまわれます。西表小中学校では棒芸を再度披露。特に子供たちがメインです。そして、公民館に帰って、最後の棒芸と獅子舞、巻踊りそして宴です。1年目のときに公民館で初めて獅子舞をさせてもらいました。そうして夜が更け、朝を迎えます。

私は西表に赴任したとしから、地域になじむためこうした祭りに積極的に参加しました。1年目はちょうど週末で診療所も休みだったのでよかったのですが、2年目は平日にあたり、地域のもっとも大切にしている祭りだからという理由で休診にして参加しました。幸いにも緊急患者さんは現れず、無事に終えることができました。

神戸でも地域全体が参加できるような祭りがあればいいのにと思うこのごろです。

参加していたのでほとんど写真は撮れませんでした。

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