春がやってきましたね。新入学、新入職の方もおられると思います。入学時、入職時には健康診断があったりしますね。実は健康診断の健康への寄与効果はわかっていません。「ケンシン」は同じ音でも「健診」と「検診」では意味が変わってきます。
「健診」は健康診断の略で健康であることを確認するための検査と言ってもいいかもしれません。
「検診」は無症状の方に対して、がんや生活習慣病などの早期発見、早期治療に繋げるためのものになります。
検診についてはさまざまな研究がされていて、USPSTFというアメリカの機関がおすすめの検診項目を公表しています。おすすめの検診項目は年齢や性別によって異なります。
例えば便潜血による大腸がん検診は44歳までは推奨されませんが、45歳〜75歳まで毎年の検査を勧められています。
反対にすべきでないとされている検診もあります。
例えば、70歳以上で無症状のPSA検査(前立腺がん)。
全年齢で無症状の人の頸動脈狭窄症の検査。
全年齢で無症状の人の膵臓癌の検査。
などがあります。すべきでないというものは有益性よりも不利益つまり害が上回ることが明らかであることが判明しているからということになります。
人間ドックなどで、ご自身のお金で全額自費でそれらの検査を希望されてするのは止めませんが、無駄な検診かどうかの判断に迷う場合は”家庭医・総合診療医”か一般内科医にご相談してもらうのが良いかと思います。
これを循環器の専門医や泌尿器科の専門医などに相談されると各分野の先生はその分野の病気を予防したいのでその検査をお勧めするかもしれません。つまり、偏った判断になることもありますので中立に判断できる家庭医・総合診療医あるいは一般内科医がお勧めです。