今回はプライマリ・ケア医(地域の家庭医/総合診療医)が増えると地域全体の平均寿命がのびるという研究結果を紹介します。
今回もアメリカの医学雑誌 JAMAからです。
2005年から2015年にかけての調査ですが、人口10万人に対し、プライマリ・ケア医が10人増えると平均寿命が51.5日延びるという調査結果がでました。プライマリ・ケア医に対して(臓器)専門医が人口10万人に対し10人増えると平均寿命は19.2日のびるという結果でした。
残念なことに2005年から2015年にかけてはアメリカではプライマリ・ケア医は減少したという結果でした。(元論文https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2724393)
個人的にはアメリカのプライマリ・ケア医はその専門医であるために厳格な更新制度もあり、やはりその恩恵もあると思います。が、プライマリ・ケア医は一般的に専門医よりも給料が低く、人気がでにくいというのが減少していった原因かもしれません。
日本では系統だった研修を受けたプライマリ・ケア医となるべき家庭医療専門医が増えているので、日本人の寿命はこれからもっとのびるかもしれませんね。