寒くなりましたね。体調はいかがですか?
冬になると流行する病気を今回はご紹介したいと思います。
冬に流行する病気といえばインフルエンザ、胃腸炎です。以前にも書いたかもしれませんが、今回はインフルエンザの話をします。
インフルエンザは感染後、1日~数日の症状のでない潜伏期間ののち、急な発熱、関節痛が特徴です。咳や鼻水、のどの痛み、下痢などをともなうこともあります。だいたい5日~7日くらいで熱は自然に下がります。
学校保健法では発熱後5病日(12月10日に発熱したら11日~15日まで)経過し、さらに熱が下がってから2日以上経過して登校可能となります。法的には登校(登園)許可証は必要ありませんが、学校によっては求められることはあります。
インフルエンザの検査は必ずしも診断には必要ありません。インフルエンザのその場で判定できる検査は熱がでてから最低でも12時間たっていないと、正しい結果がでない可能性が高いです。
治療は原則的にはつらい症状をやわらげる対症療法で自然治癒を待つことです。重症になる危険性の高い人にはタミフルなどの抗ウィルス薬の使用を勧めます。重症になる危険性の高い人は以下のような方です。
・喘息をお持ちの方
・免疫抑制剤を使用中あるいは免疫不全と診断された方
・19歳以下でアスピリンを長期服用されている方
・高度の肥満(BMI>40)の方
・慢性の内分泌代謝疾患、呼吸器、心臓、腎臓、肝臓のお病気をお持ちの方
・5歳以下、特に2歳以下のお子さん、65歳以上の方
・妊婦および産後2週以内の方
では、予防はどうすればよいのでしょうか?
①予防接種をうける
②手洗いをしっかりする
③適度な運動と休養、栄養をとること
④人込みをさける
⑤適度な空気の湿度を保つ(50%くらいが良い)
です。感染していない人がマスクをすることに予防効果はあまりないですが、インフルエンザにかかっている人がマスクをすることで、咳やくしゃみをしてつばが飛び散るのを防ぐことができ、感染拡大を防ぐ効果はあります。
平成28年12月8日現在、もうすでにインフルエンザが流行に入ったといわれています。
まだ、予防接種を受けていない方は予防接種をうけるようにしましょう。予防接種は多くの方が接種するほど、その効果は高まります。
それでは、皆様がこの冬も健康に過ごせるよう、お体を大切にしてください。
乳腺炎について、肉を食べるなとか食べろとか、あれやこれやを食べたらだめなどとを言われることがあります。しかし、果たして統計学的に結果がでているのでしょうか?少し調べてみました。
PubMedという文献検索システムを利用して乳腺炎、食事、危険因子で検索したところ、乳牛に関するものが多かったのですが、1件のみ人に関する探していた研究結果が出てきました。
それは1990年の研究で、産後の乳腺炎を経験した母親を対象に調査してものでした。要約しか読めないのですが、そこには産後最初の3ヵ月に最も乳腺炎になりやすく、3分の1は6か月後に生じました。4分の1は産後1年後に生じたとのことでした。母親たちに疲労、ストレス、授乳回数の変化、乳腺のつまり、うっ滞、家族の感染、乳房の外傷、乏しい食事といった項目を重要度順で報告してもらいました。この研究結果が示したのは乳腺炎を予防するにはストレスと疲労をコントロールすることであるとのことでした。
食事内容については差がなかったのでしょうね。
まことしやかに世の中に広まっている、食事内容が乳腺炎と関連しているかどうかはもっと研究が必要なのでしょう。今のところ、医療者として何を食べたらなりやすいとは言える状況ではありませんね。母親にとって、ストレスと疲労は少ないにこしたことはないですし、乳腺炎という、さらなるストレスを是非とも予防したいものです。そのためにも家族の協力は不可欠ですね。
文献:Riordan JM, Nichols FH. A descriptive study of lactation mastitis in long-term breast feeding women. J Hum Lact. 1990 Jun;6(2):53-8.
私事ながら3月に子どもが産まれました。5年間できず、不妊外来に通い、やっとできた待望の一人目で、産まれたときは涙がでそうなくらいうれしかったです。
しかし、産まれてからというもの、妻が乳首が痛い、母乳を飲みたがらない、まったく寝てくれないなど、よくある悩みが噴出しました。母乳に関しては私もあらかじめ勉強してはいたのですが、何せ、誰にも教えることがない期間が長すぎたせいか、忘れてしまっていました。お母さんがハッピーにならないと子どもはハッピーにならないの信念のもと、昔、母乳育児に詳しい助産師さんにおすすめしてもらった1冊と、この1冊を購入後にたまたまAmazonのおすすめ書籍で現れた1冊がとても助けになったので紹介したいと思います。
一つ目は「ドクターKIRIKOのおっぱい育て-母乳で育てたいお母さんのために」です。
著者は産婦人科医で国際ラクテーションコンサルタントです。
内容は非常にかんたんでよみやすく、わかりやすく、実用的です。乳首に血豆ができて悩んでいた妻にこれに書かれていたことを教えてあげると、授乳のときに痛みはなくなり、血豆もなくなりました。教えたポイントは、
①赤ちゃんを正面から見たとき、背骨のラインをまっすぐに抱くこと
②赤ちゃんの体をお母さんの体に密着させること
③赤ちゃんの鼻先や上唇にちょんちょんと乳首の先をあてて、大きな口をあけたところで、しっかり、くわえさせること。このとき、下あごまで乳輪にひっつき、唇が外側にめくれあがっているようなら上手にできている。ちゅぱちゅぱ音がするようなら浅吸いなので、小指を口の角からいれて口を離させ、くわえなおすこと
です。
その他にも完全母乳育児をめざすお母さんには役立つことがたくさん書かれています。
二つめは「カリスマ助産師トコちゃん先生の赤ちゃんがすぐに泣き止み、グッスリ寝てくれる本」です。
こちらは腰痛で悩む妊婦さんに人気のトコちゃんベルトの開発者、渡部信子さんがご自身のサロンでも実践している赤ちゃんをすぐに泣き止ませて、グッスリねてもらうための技術を書いてあります。
赤ちゃんをおなかの中にいたときのようにまんまるくすると、赤ちゃんは落ち着いてよく寝るということなのです。
我が子が家に来てから1か月間、なかなか寝付かなかったり、夜中に起きて1時間くらいぐずったり、昼間も寝ないので1時間おきに授乳して、妻も参りかけていました。そこで、この本に書かれていた方法を試してみました。まんまる抱き、首枕におひなまき、まんまるベッドです。まんまる抱きは抱っこの仕方なので道具はいりません。首枕は100円均一ショップで買えるもので作れます。まんまるベッドは授乳クッションとタオルを使用して作りました。
そして、これを試してみたらどうでしょう。。。
なんと!すぐに泣き止んで、こちらから起こさない限り、なかなか起きないではないですか!!
これはかなり衝撃でした。今までの1カ月は何だったんだと、もっと早く知っていればこんなに悩むことはなかったのに!!と叫びたくなりました。
本書によると、赤ちゃんにとって、背骨を丸めた姿勢が一番、赤ちゃんにとって楽なのだとか。実際によく眠るようになりましたし(放っておくと6時間は寝ました)効果はあると思います。
かなりおすすめの1冊です。