アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning:以下ACP)って聞いたことありますか?
最近、医療、介護の世界で話題になっている言葉です。
誤解を恐れずに簡単に言うと、『人生の終末期をどのように生き、どのように死にたいかを考えて計画すること』です。
なぜ、今、話題なのかというと、日本は今後、多死高齢化社会を迎えます。患者さんが望まない延命・救命処置やそのための救急搬送の増加が懸念されているからです。
平成29年の消防庁の統計では年間救急車の搬送人数は574万人。うち高齢者は337万人に上り、搬送人数は平成28年と比較して約12万人増加し、高齢者の搬送は平成24年と比較すると58万人増加しています。
過去にアメリカでは救命・延命治療を希望するかしないを書いた事前指示書があれば、そのような処置は行わないようにするという法律ができました。しかし、事前指示書の有無は救急搬送を減らさないし、延命・救命処置の数も減らさないという研究結果がでました。
そこで新しい概念として生まれてきたのがACPです。ACPは終末期をこれから迎える方が残りの人生をその人らしくすごすために医療や介護の面も含めて、家族と呼べる人たちと医療、介護にたずさわる人たちもときに含めながら話し合い、意志を共有し計画することです。そして、繰り返し話し合い、再度、意志を共有するということが大切です。
しかし、この繰り返しとはどのくらいの間隔で話し合うべきなのでしょうか?はっきりしていません。1ヶ月?3ヶ月?1年?
その人の状態によるとは思います。何事もなければ誕生日毎に家族全員で話しあうというのはどうでしょうか?あと何ヶ月かもしれないという方は1ヶ月ごとくらいが良いのかもしれませんが、そこに答えはまだありません。
そこで私たち医療者はどういう役割を担うべきなのでしょうか?
私たち医療者にできることはACPのきっかけ作り、情報提供、話し合いの場の司会進行程度です。
でも、きちんとACPの話し合いをしようと考えると、おそらく最低でも30分は必要とすると思います。ただ、1時間もすると人間の集中力のピークはこえているので、その時間内におさめるほうがいいでしょう。
何も決まらなければ次回にまわせば良いのです。焦る必要はありません。
ACPをするもしないも患者さんあるいは意思決定能力を失ってしまった患者さんの場合はそのご家族次第です。したくなければしなくてもいいと思います。
ただ、人生をより良く生きる為に、最良を希望して、最悪に備えるにこしたこともありません。リスクに備えるということです。
そして良い人生を送る計画を立てておくことも大切だと考えています。
でも、人間いつ死ぬかわからないのに、医学的に終末期とわかっているひとだけ話し合うっておかしいと思いませんか?
話はかわりますが、だれもが心の底からいつ死んでも大丈夫と思えるように毎日を生きることは大切だと思います。日々是好日ですね。
厚生労働省からインフルエンザの治癒証明に対する通知がでています。
以下、引用です。
Q. インフルエンザにり患した従業員が復帰する際に、職場には治癒証明書や陰性証 明書を提出させる必要がありますか?
A. 診断や治癒の判断は、診察に当たった医師が身体症状や検査結果等を総合して医学 的知見に基づいて行うものです。インフルエンザの陰性を証明することが一般的に 困難であることや、患者の治療にあたる医療機関に過剰な負担をかける可能性があ ることから、職場が従業員に対して、治癒証明書や陰性証明書の提出を求めることは 望ましくありません。
Q. 児童のインフルエンザが治ったら、学校には治癒証明書を提出させる必要がありますか?
A. 「学校において予防すべき感染症の解説〈平成 30(2018)年 3 月発行〉」による と、「診断は、診察に当たった医師が身体症状及び検査結果等を総合して、医学的知 見に基づいて行うものであり、学校から特定の検査等の実施を全てに一律に求める必 要はない。治癒の判断(治癒証明書)も同様である。」とされています。 なお、「保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)」によると、「子どもの 症状が回復し、集団生活に支障がないという診断は、身体症状、その他の検査結果等を 総合的に勘案し、診察に当たった医師が医学的知見に基づいて行うものです。罹患した 子どもが登園を再開する際の取扱いについては、個々の保育所で決めるのではなく、子ど もの負担や医療機関の状況も考慮して、市区町村の支援の下、地域の医療機関、地区医 師会・都道府県医師会、学校等と協議して決めることが大切になります。この協議の結 果、疾患の種類に応じて「意見書(医師が記入)」又は「登園届(保護者が記入)」を保護者 から保育所に提出するという取扱いをすることが考えられます。」とされています。