神戸市北区北鈴蘭台駅前の内科・小児科・外科 こさか家庭医療クリニックです。

文字サイズ標準大アクセスマップ
御予約・お問い合わせは 078-591-8070
院長ブログ

科学的に効果が証明されているサプリメントは何?

2024/12/23

 巷にはサプリメントがたくさん売られています。その中で効果があることがきちんと証明されているものはいくつあるかご存知でしょうか?実は両手の指で数えられるくらいしかないんです。

きちんと証明されているというのは、プラセボと比較して効果があり、普段の食事にプラスして摂取して有益性があるかどうかが検証されているものとします。

その数少ないサプリメントを今回、紹介していきます。

効果のあるサプリメント

①葉酸
 お腹の中の赤ちゃんが二分脊椎という病気にならないため、妊娠可能な全女性に勧められています。過剰に摂取しても排泄されるため、害がほとんどなく、赤ちゃんを守ることができるため勧められています。

②プロテイン
 1日体重1kgあたり1g(アスリートでも1g〜2g)のタンパク質をとることが勧められています。タンパク質は筋肉のもとになります。だいたいステーキ200gにタンパク質は40g含まれています。体重72kgの私は1日72g〜100gほど必要です。毎日ステーキ200gを食べられませんし、そのほかの食事で残り32gを摂取するのも大変ですのでプロテインを飲んでいます。
 少し前までタンパク質をたくさん摂ると腎臓が悪くなると言われいましたが、今は関係ないとされています。
 むしろ、40歳を超えると徐々に筋肉量が低下してくるため、それを補うために筋トレしながら、プロテインを摂ることをご高齢の方には特にお勧めします。
 また、食事前にプロテインを摂ることで体脂肪が減少しやすくなったという研究もあり、減量をされている方にもお勧めです。

ここからは医療ではないですが、アスリートのパフォーマンス向上で効果がある可能性が高いものです。

③クレアチン
 肉や魚に多く含まれ、筋力アップに効果的です。1日3〜5gが摂取目安です。クレアチンを飲みながら、筋トレをすることでより重い重量を挙げられるようになり、筋トレの効率が上がります。より重い重量でより多くトレーニングすることで筋肉量が増えれば、痩せやすくもなります。ただし、筋肉量を直接増やす効果はありません。

④カフェイン
 トレッドミルランニングや筋力トレーニングでの疲労困憊までの時間が延長することが証明されています。1日摂取量は400mg(コーヒーマグカップ4杯程度)までにしましょう。

⑤重曹(重炭酸ナトリウム)
 運動前60分〜150分に0.2g〜0.4g/kg(体重)を摂取すると60秒以内に終了する短時間高強度運動でのパフォーマンスが向上します。
 個人の感想ですが、とてもまずいです。ナトリウムを多く含むので高血圧や慢性心不全をお持ちの方は注意が必要です。

⑥βアラニン
 65mg/kg(体重)の摂取を2〜4週間毎日続けると30秒〜10分の高強度運動のパフォーマンスが高まると言われています。

⑦亜硝酸塩
 青菜や根菜類に多く含まれています。高強度の持久運動や間欠的運動やチームスポーツでのパフォーマンスを向上すると言われています。運動の2〜3時間前に500mg摂取します。

 そのほかにも効果があるサプリメントとして骨を丈夫にするビタミンDがありますが、副作用に腎不全や高カルシウム血症など重大なものがあり、医師の指示のもと必要な方に投与されます。ご自身の判断で摂取するのはやめましょう。

以上から、安全で効果的なサプリメントは数少ないです。基本は食事で栄養をまかなう必要があります。それでもさらに摂取する必要がある人が必要な種類のサプリメントを摂取するよう心がけましょう。

参考文献
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/Portals/0/resources/jiss/info/doc/JHPS/jhps5_93-105.pdf

TOP