神戸市北区北鈴蘭台駅前の内科・小児科・外科 こさか家庭医療クリニックです。

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院長ブログ

訪問診療の開始は人生会議をする良い機会

2024/11/22

 通院が困難になってきた方のために医師が自宅までお伺いして診察する訪問診療という方法があります。加齢や脳卒中、神経難病などの病気によって足腰が不自由になった方やがんなどのために体力が著しく低下して通院が困難になった方を対象としています。

この訪問診療を開始する時というのは改めて、今後の「暮らし方」についてもう一度、ご家族の方々や介護者の方々と話し合うとても良いタイミングと言えます。

『人生会議』(Advance Care Planning)とも言います。これは患者さんの人生に対する価値観や希望も含め、今後の生活を話し合い、ご本人に対する理解を周りの人たちが深めていくというものです。

はっきりと申し上げるとこれから死ぬまでの間にどのように暮らして、何を優先的に守るのか、何を避けたいのかを介護される方や医療者が理解を深めるということです。その中には心臓マッサージや人工呼吸などの蘇生処置を望むのか?食べられなくなった時に管を通して栄養を入れるのか入れたくないのか?なども含まれます。

ご本人の価値観、思いはいつもそばにいるご家族であっても、全てを知っているわけではありません。ですので、きちんと言葉で伝え、お互いに食い違いがないか確認しておくことが必要です。

また、急に状態が悪化することがあるということも理解しておいてもらう必要があります。その時に慌てふためいて患者さんの意向を無視した判断をしないために周りの人たちが「〇〇さんならこう言うだろうな。こう決断するだろうな。」と考えられるように準備しておくということが大切ですね。

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